今日は10時から「Euryops」の内部レビュー会を行っています.一応,pre-MDRっていう想定ですが,実際には,まあ,pre-pre-pre-pre-MDRくらいの感じでしょうか.できるだけ早く本物のMDRにたどり着きたいですねえ.
で,レビュー会には卒業生のMr.ShitaraとMr.Yamadaも参加してくれています.ありがたいことです.
さて,これまで,日大航空では2001年から学生プロジェクトとしてCubeSatの開発を始めて,2006年に最初のCubeSatである「SEEDS」を打ち上げました(ロケットの失敗により軌道不到達).
そして,2007年に学部の未来博士工房に参加し,「衛星工房」を立ち上げました.2008年に,2号機である「SEEDS-II」を打ち上げて,ミッションを成功させました.
その後,2014年に,3号機である「SPROUT」を打ち上げました.通信系に不具合があり,運用に苦労しましたが,姿勢制御実験等,いくつかのミッションを実施しました.ただ,この頃には,「衛星工房」はマンネリ化した感が出てきて,「宇宙でやりたいことを自分たちで提案して,実際に衛星を開発して打ち上げて,ミッションを成功させる」という雰囲気が薄れてきた感じがありました.
そこで,一旦,「衛星工房」は解散しました.そして,2015年度に,学科全体として「航空宇宙工房」がスタートしたこともあり,「衛星開発プロジェクト」と名前を変えて,現・山﨑研が学生衛星プロジェクトを進めることとなりました.
また,「SPROUT」のメインミッションである膜展開ミッションを2015年に実施しましたが,膜面が十分に展開せずに失敗に終わりました.そして,「SPROUT」はアップリンクが通らなくなり,運用を終了しました.
こういった状況や,「衛星開発プロジェクト」は衛星開発ではなく,模擬衛星キットを使った人材育成プログラムの開発に進んでいったこともあり,「やはり,日大航空は,学生が自分でミッションを考えて,衛星を開発して,打ち上げて,ミッションを成功させることを目指すべきではないか」と考え,2016年に,4号機となる「NEXUS」の開発を本格的にスタートさせ,2017年には「CESS(先進宇宙構造物研究会)」を立ち上げました.そして,2019年に「NEXUS」を打ち上げ,現在も運用を行っています.
これらの活動は全て学生が主体的に進めてきたことであり,衛星ミッションも学生が考えたものでした(教員である私は,打ち上げ機会とお金のやりくりをしただけ).その意味で,日大の衛星は,文字通り,「学生衛星」でした.
では,「Euryops」はどうかというと,これは完全に研究室で考えたミッションであり,現在のCESSでは,学生が衛星ミッションを考えるのではなく,研究室で考えた衛星ミッションに学生が「参加する」という形態になっています.
これは,奥山研が検討を始めた「てんこう」の2号機もそうですし,山﨑研の「Prelude」もそうです.つまり,昔ながらの「衛星工房」的なものは,「NEXUS」で終止符を打った感があります.
そこで,「航空宇宙工房」の中の「CESS」と「衛星開発プロジェクト」は解散し,新たに,衛星名を冠したプロジェクト,すなわち,「てんこう」プロジェクト,「Prelude」プロジェクト,「NEXUS」プロジェクト,「Euryops」プロジェクトを「航空宇宙工房」内に立ち上げてはどうか,という話になりました.”プロジェクト”ですので,運用終了とともに解散する活動ですね.
もちろん,学生のグループが立案した衛星ミッションに対して,教員が支援することを決めて,「〇〇衛星」プロジェクトをスタートさせるということは今後もあるかと思います.
多分,10月上旬あたりに?,学生向けの「航空宇宙工房」説明会が開催されるかと思いますので,そこで正式にアナウンスされると思います.
Comments